「丁稚奉公」と言う様に、出入りの商人か職人が近所の庶民の息子を連れて来て奉公さすのが「丁稚奉公」の一般的な勤め口でした。又は長屋の差配が口をきいて丁稚奉公に揚げる事もおました。終身・正規雇用です。
男の子はその者の才覚で大番頭に登り詰め、暖簾分けもして貰える謂わば人材発掘の要素を持って居ましたが、皆が皆そうなるとは限りません。通い番頭で終わる者、又は番頭にも成れぬ者、も居ました。万年平社員です。
オナゴシはん、は二種類あって信頼のおける知人（上記丁稚のケースと同じ）からの紹介で雇うオナゴシ、と、「口入屋」から一期、半期、の短期間で雇うオナゴシがおました。此れは何故か？ それは、オナゴシは「即戦力」が求められたので、少女の頃から雇う余裕が無いからです。
勿論、気の利いたよく働くオナゴシは、引き続いて働く「契約更改」がおましてそのお店に居付く事も有りました。唯、一期、半期、のオナゴシは給金次第で自由に転職してました。
まっとうな「口入屋」は＜丁稚＞の斡旋はしません。口入屋が扱うのは＜大人＞の労働者です。丁稚は雑用はしますが仕事はしません。労働者では無いからです。だからお給金は出ません。何かの紋日にお小遣いが出るか、誰かにポチを貰うのが収入です。
丁稚に仕事をさせるお店は碌なお店ではありません。それは現代で言う「ブラック企業」です。
と、此れは私の独断と偏見で申しました。ほかヘ行って言うたらあきませんでぇ。
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