| 演 題 | 根 拠 |
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田 楽 喰 い |
兄貴の言葉「この近所の豆腐屋が開店したんや、田楽屋をな。ほんで『お宅は若い衆が大勢来はるさかいに、ちょっといっぺん試してみとくなはれ』ちゅうて、試しに喰てみたら、木の芽の香りがプンとしてなかなうまいねん」より、この「木の芽の香り」から、この田楽は木の芽田楽と推定しまして【木の芽田楽】サンショウの若芽をすり込んだ味噌を豆腐に塗って焼いた料理。おでん。《季語・春》ということで、春の噺としてはと思います。ただ、『寄合酒』からの続編ということになると、寄合酒に登場するカズノコ《季語・正月》やゴボウ《季語・秋》などとの整合は取れませんが？（m.sさんからのご教示）
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愛 宕 山 |
地語り「野辺へかかってまいります。何しろ春先でございます、空にはヒバリがチュ〜チュ〜とさえずっていよぉか、野には陽炎が燃えていよぉかといぅ」
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子 ほ め |
ご隠居の「灘の酒屋に親戚があってな、毎年この時分になると樽で一丁ずつ送って来てくれるのじゃ」の酒が新酒なら冬の終わりから春先ということになるのだが
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貧 乏 花 見 |
「花見に行こかちゅう話が煮えかかってねんけどな、どや、付き合えへんか？ みな長屋揃ろて花見に行くちゅうねや」
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こ ぶ 弁 慶 |
この噺『東の旅』シリーズの帰り道にあたります。出発するのが陽気の良くなった春先で、大阪・伊勢間を10日ほどで往復したそうですから、春まっただ中といえるのではないでしょうか。噺の中には「★へぇ、スイカが手回りましてね◆スイカ？ 時期はずれの西瓜だんなぁ……」の一節があります
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宿 屋 仇(上) |
宿屋紀州屋の番頭伊八のセリフ「ほんで焼きもんは鰆(さわら)がよかろぉ、ご飯もどんどん炊いてな、お若い方が多そぉな」鰆は春が旬の魚なので「魚」に「春」と書き、俳句でも春の季語
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牛 の 丸 薬 |
正やんと米やんの会話「■いぃやいな、だいぶ温くなっやないか●温ぬくなった、ありがたいこっちゃないか。もぉぶり返すことないと思うねん」
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高 倉 狐 |
「えぇお天気やさかいについウトウトッと寝てしまいよったんや。もぉ春やなぁ、狐……」
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東 の 旅 発 端 |
冒頭の地語り「さて、例によりまして喜六、清八といぅ両名の大阪の若いもん、だいぶ時候もよぉなったんで「ひとつお伊勢参りでもしょやないか」といぅえぇ加減な連中がありましたもんで」
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七 度 狐 |
喜六・清八の会話「●あかんわ清ぇやん何ぼ放り込んでもバサバサのガサガサや■分かった、こらやっぱり急にできた川や。下一面の麦畑や」と、お百姓の「田ノ四郎やい、ちょっと見てみぃ。お前とこの麦畑、旅人が二ぁり裸んなって踏み荒しとぉるぞ」
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天 神 山 |
冒頭、立ち話する男「着物のひとつも着替えて、弁当折、瓢箪のひとつも下げた人は花見遊山に行く人とせんならんなぁ」
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た け の こ |
下男・可内(べくない)のセリフ「お隣りの筍がね、こっちの庭へ頭出しよりましたんで、それを掘り取りました」
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百 年 目(上) |
地語り「みんなも風が欲しぃなぁと思てたとこ「ほな開けまひょか」サァ〜ッ、開きますといぅと桜の宮がひと目に見えます。花は今が満開で薄紅(うすくれない)のハケでサ〜ッと流したよぉ」
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矢 橋 船 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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軽 業 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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百 人 坊 主 |
この噺も伊勢参りを取り扱ったもの。また地語りに「明日は出発といぅ日の前になりますといぅと、お寺の本堂にズラ〜ッと布団を並べます「もぉ寒い時分やないさかい、こんなもんでえぇやろ」っちゅうわけで」とあります
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三 十 石 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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桜 の 宮 |
松っつぁんのセリフ「時候がよぉなりましたなぁ、皆があんた折や弁当、瓢箪持ってあっちこっち花見に行きますがな、わたしらもね、今年ボチボチ明日ぐらい桜の宮へでも出かけたらと、こない思いましてな」
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猿 後 家 |
冒頭、男二人の会話「■おい、時候がえぇなぁ●そやなぁ、人がぎょ〜さん歩いとんなぁ■皆あれ花見にでも行くんやろなぁ●結構なこっちゃのぉおい」
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軽 業 講 釈 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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近眼 の 煮売屋 |
「●これは何や？■鰆(さわら)の照焼きやないかい」鰆は春が旬の魚なので「魚」に「春」と書き、俳句でも春の季語
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加 賀 見 山 |
地語りに「この居並んでおります腰元どもが渡りゼリフといぅやつ、交互にセリフを申します「霞たなびく清水に」「見事に咲いた桜花」」
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宿 屋 町 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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軽 石 屁 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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隣 の 桜 |
大旦那のセリフ「いや、さっきもな、庭へ出てみると、時ならずにうちの桜の花がバラバラと散りますのじゃ」
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さ く ら ん ぼ |
男たちの会話「◆玉造？ 玉造てなとこに花見するよぉな桜があんのんかい？★知らんのんかい、お前まだ？ あるやないかいお前、あの「あたま山の桜」」
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相 撲 場 風 景 |
季節を感じさせる言葉は出てきませんが、大阪相撲の本場所は春と夏だったそうです。現在、大阪場所は春
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う ん つ く 酒 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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西 行 鼓 ケ 滝 |
西行法師が詠む歌「伝え聞く 鼓ケ滝に 来てみれば 沢辺に咲きし たんぽぽの花」より
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三人旅浮之尼買 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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太 田 道 灌 |
噺の進行している季節は不明ですが、道灌の逸話に兼明(かねあきら)親王の古歌『七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき』が登場します。山吹は４月に咲く花
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西の旅・舞 子 |
喜六・清八の会話「■さぁ、こっちおいで。この桜を見てみ●わッ、綺麗ぇに咲いたぁるなぁ、えぇ桜やなぁ■これが有名な『盲杖桜(もぉじょ〜ざくら)』や」（m.sさんからのご教示）
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西の旅・明 石 |
『西の旅・舞 子』の前編
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西の旅・須 磨 |
『西の旅・舞 子』の後編
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兵 庫 船 |
上の三編の続き「西の旅シリーズ」ということで
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淀 川 |
ご出家のセリフ「あ〜、今日は天気がえぇなぁ、ほのぼのとして実に気持ちがえぇ。春先になると人出がある、結構なことやないかいな」
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鶴 満 寺 |
地語りに「大阪の船場の旦さんでございます。ちょっとこの時候もよぉなりましたんで、ひとつ花見にでも出かけよか。ちゅうわけでございまして、大阪の長柄(ながら)にございます鶴満寺(かくまんじ)さんといぅお寺さんへ出かけるわけでございます」
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鯉 津 栄 之 助 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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常太夫 義太夫 |
『東の旅』シリーズということで春にしておきます
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開 帳 雪 隠 |
江戸時代の出開帳は春から初夏にかけて開催されることが多かったらしい
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碁 盤 截 |
隠居と格之進の会話「◆だいぶ陽気もよぉなってまいりましたが柳田さん、お寒ぅはございませんか？■なになに、あのよぉに庭の木々も萌えだして、こぉして眺めていると心が落ち着きます」
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掛 川 の 宿 |
参勤交代の時期は４月、また宿の主人と探幽の会話「●何？ 縄解かなんだら、お前の首が飛ぶ？ 心配すな、秋になったらまた生える▼マッタケや……、どぉかお縄を」が傍証
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荒大名の茶の湯 |
1598年の秀吉没後、石田三成の文治派と豊臣七人衆の武断派との対立が深まっていたが、1599年３月にこの両派を仲裁していた前田利家が没し、一気に確執が深まった。たぶん徳川家康の陰謀が始まったのはこの頃、春ではないかと思われる
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青 空 散 髪 |
青空散髪のオッサンのセリフ「こぉ〜らえぇ天気でんなぁ、絶好の散髪日和ですわ。ここに大っきな木がおまっしゃろ、これがね、夏になったらお日ぃさんがこの向こぉへ回りよりまんねん。ほたら、ここらがちょ〜ど木陰になってね、風通しはえぇし、汗ひとつかかしまへん。これが冬になったらお日ぃさんがこっち回りよりまんねん。ほたら、正面から日差し浴びてポカポカ〜・ポカポカと寒いことひとつもおまへん」から、夏と冬は除かれる。で、春と秋どちらかなのだが、散髪してもらう男のセリフ「長いこと散髪行かなんだらな、こんな様になってしもて」から、冬には伸びていても気にならず、春になってそろそろ散髪にでも、という推理はどうでしょうか？
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